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朝日新聞「マイナンバーで「副業ばれる」は本当か」で取材協力しました

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マイナンバーで「副業ばれる」は本当か 税理士に聞く


 マイナンバーが導入されると、副業が会社に知られてしまう――。ネットなどでそんな情報が広がり、不安を抱く人たちがいる。

 横浜市中心部の歓楽街・関内。キャバクラに勤務する女性(42)は建設会社で一般事務をこなすOLだ。実家暮らしの独身だが、月18万円ほどの「本業」の給料はほぼ生活費に消える。週3回の勤務で月10万円ほど稼げるキャバクラの仕事は、割のよい「副業」。

 しかし、半年ほど前から、「マイナンバーが始まると副業がばれる」とのうわさを耳にするようになった。会社は副業を禁じている。「副業収入を小遣いやペットの養育費にあててきたけど、ばれるくらいなら、あきらめて(副業を)辞めざるを得ないかも」

 キャバクラを経営する女性(39)は、人手不足を心配する。店に勤務する女性14人のうち「副業」は11人。「この子たちが会社にばれるのを恐れて辞めてしまったら、店は回らない」

 副業は本当に会社に知られてしまうのか。すばる会計事務所(東京都台東区)の森瀬博信税理士は「ばれる可能性は以前からあり、マイナンバー導入とは関係ない」と話す。

 確定申告で申告する所得には「給与所得」「事業所得」「雑所得」といった分類がある。森瀬税理士によると、本業の会社に知られる可能性があるのは、アルバイトなど従業員として働き「給与所得」を得るケース。「給与」にかかる住民税は本業の会社の給料から天引きされるのが一般的で、副業分の住民税額は会社に通知される。このため、経理担当者などが副業に気づく可能性がある。

 一方、キャバクラの収入は多くの場合「事業所得」や「雑所得」で、確定申告時に住民税を「自分で納付する」と選択すれば、会社側に税額は通知されない。株やFXなどの金融取引や広告収入が見込める個人ブログなどの副業も、収入が「雑所得」「譲渡所得」などに分類され、自分で住民税を納付すれば会社に知られる可能性は低くなる。ただ、この仕組みは以前からのもので、マイナンバー導入とは関係がない。

 マイナンバー導入で可能性が高まるのは、税務署による申告漏れや無申告の指摘が増えることだという。副業先の店などが税務署に提出する支払い調書に、報酬などを支払った相手のマイナンバーが記載されるため、収入を得た人が確定申告をしたかどうか特定するのが容易になるからだ。

 副業でも一定以上の収入があれば確定申告が必要だが、森瀬税理士によると、申告しない人が多いという。「会社に副業がばれるよりも、税務署に申告漏れがばれることを心配したほうがいい」